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島田の民話「広長の振動」

広(ひろ)長(おさ)の振動


いつのころだったか、もうずいぶんむかし。

 相賀の広長にある赤松山は、大風が吹いたり、大雨になったりすると、ふしぎなことに、ごごーっ、ごごーっと地ひびきたてて、大ゆれにゆれるのだった。

「赤松山の底にはなにかいる。おそろしい魔物でも住んでいるじゃあないか。そいつが、きっと、大雨や大風が嫌いだで、それで大雨や大風のとき、怒り出すのじゃないか。」

「そんなら、その魔物の気持ちを、おはらいでもしてしずめてやらにゃあだめだのう。」

 神主さんにたのんで、おはらいをしてもらったり、お寺のぼうさんにたのんで、お経をあげてもらったりした。

 けれども、それも何のききめもなかった。雨が降り出すと、また赤松山はゆれだした。

「おはらいなんかしてもだめなこった。」

「そのうちに何かこわいことがおきるのじゃないか。」

そういって、村びとたちは、おそろしがっていた。

なかには、「こんなとこにゃあ、いられん。わしら、よそでくらすだ。」と、村をにげ出そうとする者もいた。

「そんなことはせんでも、逃げるときゃあ、村のしゅうみんないっしょに逃げりゃあええに。」

そういって、ひきとめても、なかにはがんとしてききいれず、荷物をまとめた者もいた。そんなひとが一人、二人はあった。

 けれども、長年住みなれた土地を、そうかんたんにはすてるわけにもいかず、こわいこわいといっているうちに、いつか山がゆれるのにもなれてしまった。

 たいして、こまったことも起こらず、そのうちに、「赤松山の下には、でっかいホラガイが住んでいるだ。風が強かったり雨が降ったりすると、そのホラガイが動き出すだ。そうすると、山がゆれだす。大きく動くと山は大ゆれ、小さく動くと山は小ゆれ、というわけじゃ。」

と、だれかがいいだしたのか、そんなことになって、村びとたちは、赤松山にホラガイが住んでいると信じるようになった。

 たまに、なにごともない静かな日でも、赤松山がわずかにゆれることがあった。

 すると、きまって、そのすぐあとから天気がくずれだし、風が吹きはじめたり、雨がふり出してきたりした。

 けれども、山が小ゆれのときは、雨は大降りにならなかったり、風も大風にならないですんだ。

 それで、

「ホラガイが雨や風をおしえてくれるのだ。もしものときにゃ、すぐにげることができるから、安心じゃ。」

 村びとたちは、そういって、かえって安心してくらせるようになったという。

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